2021年10月、紅葉のシーズンに扇沢から入山し、鹿島槍ヶ岳・五竜岳・唐松岳・白馬岳と後立山連峰を3泊4日で縦走しました。
八峰キレット・不帰キレットという日本三大キレットのうち2つを越えるスリリングな縦走路ですが、そのぶん稜線からは北アルプスの大パノラマと、紅葉に彩られた山々の絶景を楽しむことができました。
ゴールは栂池自然園。ロープウェイで下山しながら紅葉を楽しめるのも魅力です。この記事ではアクセス・ルート・縦走の様子を詳しく記録しています。
※記載内容は2021年10月当時のものです。料金・営業状況・登山道の最新情報は各自でご確認ください。
後立山連峰縦走3泊4日|ルート概要
後立山連峰とキレット
後立山連峰は北アルプスの針ノ木岳から白馬岳までの山域を称し、立山連峰から見てその後ろにある山々ということです。今では後(うしろ)といったイメージのない人気の山域ですが、立山信仰により立山がより早くから開かれたことからこのような名前となったようです。
私は扇沢から入山し爺ヶ岳から白馬岳までを歩きました。この間八峰キレットと不帰(かえらず)キレットという日本三大キレットのうち2つのがあります。
キレットとは?
山の尾根のくぼんだ部分(鞍部)の特にV字状態に深く切れ込んだ場所のことです。登山においては難所で、鎖やハシゴがあり事故も多く歩くには注意が必要です。日本三大キレットと呼ばれるのは大キレット(南岳〜北穂高岳)、八峰キレット(五竜岳〜鹿島槍ヶ岳)、不帰キレット(白馬三山〜唐松岳)でいずれも北アルプスに位置しています。
今回もソロで縦走し、3泊ともテント泊でした。キレットを歩くのでヘルメットも持参・着用しました。
ルート概要(3泊4日・テント泊)
後立山連峰縦走3泊4日
DAY1:扇沢→爺ヶ岳→冷池山荘テント場(泊)
DAY2:冷池山荘テント場→鹿島槍ヶ岳→八峰キレット→五竜岳→唐松山荘テント場(泊)
DAY3:唐松山荘テント場→唐松岳→不帰キレット→白馬鑓ヶ岳→白馬岳頂上宿舎テント場(泊)
DAY4:白馬岳頂上宿舎テント場→白馬岳→白馬大池→栂池自然園
距離:39.6km
上り:4595m/下り:4171m

山と高原地図では「鹿島槍・五竜岳」「白馬岳」をまたいでいます。
山と高原地図 鹿島槍・五竜岳 2025 [ 昭文社 地図 編集部 ]
山と高原地図 白馬岳 2025 [ 昭文社 地図 編集部 ]
アクセス
スタート|扇沢
信濃大町駅からはバス、室堂からはアルペンルートでアクセス可能です。
新宿からのバスも運行されています。
扇沢には有料・無料の駐車場があり、車でのアクセスも可能です。
ゴール|栂池自然園
栂池自然園から栂池高原まではロープウェイとゴンドラでアクセスできます。
また栂池高原から白馬駅までの路線バスだけでなく、東京や大阪までのバスも運行されています。
DAY1:扇沢→爺ヶ岳→冷池山荘テント場
扇沢から種池小屋を目指します。種池小屋までの登山道は柏原新道と呼ばれ、扇沢駅から道路を10分ほど歩いたところに登山口があります。信濃大町駅からのバスは登山口では停まってくれないので、一度扇沢駅まで行く必要があります。

ちょうど紅葉シーズンということもあり登山道の道は色づいていました。登山道からは針ノ木岳が望めました。

種池山荘に着きました。ちょっと休憩して爺ヶ岳を目指します。

爺ヶ岳への登山道で振り返ると剱岳が遠方に望めました。

爺ヶ岳山頂に着きました。

続いて冷池山荘を目指します。

冷池山荘に着きました。テント場はここから5分ほど歩いたところにありますが、ここで受付を済ませておきます。

テント場はそこまで広いというわけではありませんでした。まだ誰もいなかったので、特等席(サイト?)を確保できました。

DAY2:冷池山荘テント場→鹿島槍ヶ岳→八峰キレット→五竜岳→唐松山荘テント場
テントを撤収し鹿島槍ヶ岳を目指します。朝日に照らされ真っ赤になった登山道は見事な美しさでした。

鹿島槍ヶ岳南峰に着きました。

山頂からはこれから歩く尾根が見下ろせました。八峰キレットもこの先にあります。右手の山は鹿島槍ヶ岳の北峰です。

こちらが北峰です。

ここからは八峰キレットで、鎖場やハシゴが続きます。ヘルメットを着用し、慎重に歩いていきます。

難所を越えてキレット小屋に着きました。こんなところによく小屋を建てたもんだな、と感心します。

八峰キレットを越え、五竜岳山頂に着きました。

五竜山荘を経由します。ガスに覆われてきました。

先へ進むと再び青空が見えてきました。

唐松岳頂上山荘に着きました。テント場の受付をします。

テント場は小屋の西斜面にあり、テントスペースは棚田のように段々になっています。奥のサイトは結構下らなくてはいけず、近いサイトから埋まっていきそうです。

DAY3:唐松山荘テント場→唐松岳→不帰キレット→白馬鑓ヶ岳→白馬岳頂上宿舎テント場
朝山荘の裏からご来光を眺めることができました。白馬岳が朝日に照らされきれいでした。

唐松山荘から30分ほどで唐松岳山頂に着きます。

ここから不帰キレットとなります。ヘルメットを着用し、慎重に歩いていきます。

途中垂直に鎖で降るところもあり、かなり緊張感がありました。

難所を越え天狗の頭が見えてきました。ここまでくればもう安心です。

天狗山荘に着きました。奥に見えるのは白馬鑓ヶ岳です。

白馬鑓ヶ岳山頂からは杓子岳、白馬岳が望めました。

杓子岳に寄り道した後、白馬岳頂上宿舎へ着きました。小屋はすでにシーズンが終わり閉まっていたので、そのままテント場にテントを設営しました。

DAY4:白馬岳頂上宿舎テント場→白馬岳→白馬大池→栂池自然園
テントを撤収し白馬岳を目指します。白馬岳山頂からご来光を拝めました。

山頂での景色を堪能した後先へ進みます。ここからは下るだけです。朝日に照らされた尾根がきれいでした。

小蓮華山付近から後立山連峰を振り返ります。この尾根を歩いてきたかと思うと、とても感慨深いです。

白馬大池へ着きました。

白馬乗鞍岳から下る登山道の紅葉はピークでした。

ゴールの栂池自然園へ着きました。これにて4日間の縦走が終わりました。

まとめ
今回の記事では、紅葉シーズンに歩いた後立山連峰縦走(扇沢〜栂池自然園・3泊4日)を紹介しました。
八峰キレットや不帰キレットといったスリリングな難所もありましたが、そのぶん稜線からは鹿島槍ヶ岳・五竜岳・唐松岳・白馬岳と続く絶景を堪能できました。紅葉に染まる柏原新道や白馬乗鞍岳からの下山路は特に印象的で、秋ならではの彩りを味わえました。
アクセス面でも、扇沢から登り栂池自然園のロープウェイで下山できるため、公共交通利用の縦走にもおすすめです。
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