軽量テントの定番として人気のSix Moon Designs Lunar Solo(ルナーソロ)。
ずっと気になっていたこのモノポールテントを、私は実際に4泊5日の山行(うち雨天あり)で使ってみました。
設営のしやすさや居住性、防水性能、そして使ってみて感じた「良かった点」「気になった点」を、初めてモノポールテントを使った立場から率直にレビューします。
これから購入を検討している人、UL装備への移行を考えている人の参考になれば幸いです。
Six Moon Designs Lunar Soloとは?
アメリカ・オレゴン州発のSix Moon Designs(シックスムーンデザインズ)は、ULハイカーに人気のブランド。中でも Lunar Solo(ルナーソロ) は、軽量かつ快適な居住性を両立したソロテントとして定評があります。

Lunar Solo 商品スペック
定員:1人(1.5)
重量:Gray 690g/Green 720g
素材:フライ 20D シリコンコーティングポリエステル/底面 40D/ネット 20D No-see-Um
重量:Gray/Green
商品ページ:Six Moon Designs 公式サイト/Moonlight Gear/Amazon
公式スペックでは本体重約720g(Green)。私の手元で実測してみたところ、シーム処理前で727gでした。
登山ストックをポール代わりに使う構造のため、別途ポールは不要。ただしストックを使わない人は 専用ポール(約50g/カーボン) の購入がおすすめです。
私は普段トレッキングポールを使用しないのですが、持っていたトレッキングポールをそのまま支柱として使いました。ペグは他のテントの物を使用。ストック約200g+ペグ約100gほどを加えると、総重量はおおよそ1kg前後。
それでも一般的な1人用ダブルウォールテントに比べるとかなり軽いのではないでしょうか。
自分でシーム処理が必要
Lunar Soloは自分でシーム処理(防水処理)を施す必要があります。私は実際に自宅で「シームグリップ」を使って防水処理を行いました。

この工程は少し手間ですが、やってみると作業自体はシンプルでした。シームグリップが垂れたまま固まって残りはしましたが、自分のテントを「一から仕上げる感覚」があり楽しかったです。
→ 詳しくは別記事「Six Moon Designs Lunar Soloを自宅でシーム処理してみた」で紹介しています。
4泊5日の山行で実際に使ってみた
今回、信越トレイル4泊5日のテント山行で実戦投入しました。うち2日は強い雨。ULテントにとってはなかなか過酷な条件です。
→秋の信越トレイル5日間スルーハイクレポート|テント泊で歩いてわかった魅力と注意点

初めてモノポールテントを使う私にとって、設営は最初こそ少し戸惑いました。ですが、何度か設営してみるとコツがつかめ、慣れれば5分ほどで設営可能。
設営手順はこちらの動画を参考にしました。
「ペグがしっかり刺さる地面を選ぶ」「ガイラインは伸ばし切ってからペグにかける」この2点を意識すれば、きれいな形に張ることができます。
特に、ピンと張れたときのフォルムは美しく、設営後に眺めた時の満足感がありました。

設営スペースと居住性
実際に張ってみて感じたのは、想像以上にスペースを取るということ。
通常の1人用テントの1.5〜2倍ほどの設営面積が必要です。混み合うキャンプ場や狭い山中のテントサイトでは、場所選びに苦労するかもしれません。
一方で、居住性は抜群。天井が高く、マットを敷いても荷物を広げられる余裕があります。
中で軽い作業をしたり、天候待ちをしたりするにも十分。前室は広くはありませんが、靴や小物を置くスペースは確保できます。
Lunar Soloはソロテントとしてだけでなく、普通のキャンプでも快適に使える居住性を備えています。
実際の使用感と性能
軽さだけでなく、実際の使い心地も想像以上に良好でした。
通気性に優れたメッシュ構造で、内部はこもりにくい。ただし、風が強い日は中まで風が入り寒さを感じることもありました。
風の強い日でもしっかり立っており、ペグダウンさえきちんとしていれば安心。4日目の夜には数時間にわたる強い雨に打たれましたが、シーム処理のおかげで浸水は一切なし。
ただし、内部結露はかなり発生しました。これはLunar Soloに限らず、シングルウォールテント全般の課題。
荷物が濡れないように配置したり、朝は拭き取りをしたりといった工夫が必要です。湿度の高い日本では避けがたい現象ですが、それを理解した上で使えば大きな問題にはなりません。
メリット・デメリットまとめ
メリット
- 約1kg(ペグ・ストック含む)で軽量&コンパクト
- 居住性が高く、天井も高い
- 通気性がよく夏でも快適
- 風や雨にも強い(適切な設営が前提)
- 設営後のフォルムが美しい
デメリット
- 設営には広めのスペースが必要
- 結露対策は必須
- ストックを使わない場合は専用ポールが必要
- 自分でシーム処理を行う手間がある
まとめ:軽量テント&モノポールデビューに最適な一張り
4泊5日の山行を通して、Six Moon Designs Lunar Soloは軽量性と快適性のバランスが非常に優れたテントだと実感しました。
UL装備を目指すハイカーにとっては、荷物の軽量化に大きく貢献してくれる存在です。内部結露や設営スペースの確保といった注意点はありますが、しっかり理解して使えば問題なし。
むしろ、「軽さ・居住性・デザイン」の3拍子がそろったこのテントは、モノポールテント初心者にもおすすめできる一張りです。




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