アルゼンチン・パタゴニアのハイキング拠点エル・チャルテン。人気の「ラグーナ・デ・ロス・トレス」や「ラグーナ・トーレ」と比べると知名度は低いですが、Loma del Pliegue Tumbado(ロマ・デル・プリエグエ・トゥンバード)は「静かな絶景」を楽しめる穴場トレイルです。
標高差は約1,000mとやや体力は必要ですが、道中は草原・森・氷河を望む平原など景色が変化し、ビューポイントからはフィッツロイやセロ・トーレ、ビエドマ湖を一望できます。
この記事では、実際に歩いた体験レポートを交えながら、Loma del Pliegue Tumbadoまでのトレイルの特徴、注意点、必要な持ち物、最新の入場料情報をまとめました。エル・チャルテン滞在中に混雑を避けて絶景を楽しみたい方におすすめのルートです。
エル・チャルテンのハイキングと人気トレイル
エル・チャルテンはトレッキング首都
エル・チャルテン(El Chalten)はセロ・フィッツロイ(Cerro Fitz Roy)の麓に位置する街で、このフィッツロイや氷河を間近で見る数多くのハイキングコースの拠点でもあります。このためエル・チャルテンは「アルゼンチンのトレッキング首都」と呼ばれています。

エル・チャルテン周辺のハイキングシーズンは、南半球の夏である11〜3月です。この時期は世界中から多くのハイカー・観光客が訪れます。
エル・チャルテンでの人気ルート
エル・チャルテン周辺のハイキングコースについてはelchalten.comで詳しく紹介されています。
エル・チャルテンで代表的なハイキングコースは、フィッツロイを間近に見ることができるラグーナ・デ・ロス・トレス(Laguna de los Tres)までのルート。
今回紹介する「Loma del Pliegue Tumbado」は穴場で、混雑を避けつつ絶景を楽しめるルートです。
Loma del Pliegue Tumbadoトレイルの概要
Loma del Pliegue Tumbado(ロマ・デル・プリエグエ・トゥンバード)
- 所要時間:往復6〜8時間
- 距離:往復約21km
- 難易度:中級、標高差1,000m前後
- 登山口アクセス:エル・チャルテンから徒歩でアクセス可

Loma del Pliegue Tumbadoへの登山口は国立公園のビジターセンターの奥にあります。エル・チャンテンから歩いて行けて、バスターミナルからだと約10分です。
Loma del Pliegue Tumbadoは標高約1,500メートルに位置し、トレイルの標高差は約1,000メートルあります。Loma del Pliegue Tumbado付近は木がなく、風にさらされるため、また真夏でも雪が降ることがあり、防風ジャケット・防寒着を準備しておいた方がいいです。
実体験レポート|エル・チャルテンからLoma del Pliegue Tumbadoへ
私は夜明け前にエル・チャンテンを出発し、登山口を目指しました。登山口すぐトレイルは二手に分かれます。左はロス・コンドレス(Los Cóndores)のビューポイントまでの道で、右がLoma del Pliegue Tumbadoまでの道です。

最初は草原や森の中を歩く登りが続きます。

森を抜けるとなだらかな平原を歩くようになり、遠方にはフィッツロイなどの山々を見ることができます。

分岐に差し掛かります。左はラグーナ・トロ(Laguna Torro)まで行く道で、右がLoma del Pliegue Tumbadoまでの道です。

分岐を過ぎると再び森の中を歩くようになります。

森を抜けると平原へと出ます。

私が歩いたのは2月下旬(北半球の8月下旬)でしたが、足元には氷が張っており、真夏でも防寒対策が必要だと実感しました。

振り返るとビエドマ湖も見えるようになります。

開けたなだらかなところへ来ました。どうやらこの辺りがLoma del Pliegue Tumbadoのビューポイントのようです(看板があります)。

目の前にはフィッツロイやセロ・トーレ、ラグナ・トーレが見渡せるパノラマビューが広がっています。

絶景は一日中見ていたいほどでしたが、強風と寒さで長時間は留まれませんでした。
ビューポイントはこのあたりなのですが、さらに山頂へ続く道もあり登っている人もいるようでした。しかし、登山道上には雪が積もっているようだったので、私はこれ以上先には行きませんでした。このビューポイントからの景色だけでも十分楽しめます。

ラグーナ・デ・ロス・トレスほど人気のあるルートではないためそれほど人は多くなく、またある程度歩き慣れたハイカーが多い印象でした。絶景だけでなく、静かなハイキングも楽しめる穴場です。
注意点と準備するもの(防寒・水・入場料)
防風ジャケット・防寒着
Loma del Pliegue Tumbado付近は標高約1,500mの吹きさらしなので、風が強くそして寒いです。夏でも雪が積もってたり、氷が張っていたりします。防風ジャケットや防寒着は必須です。手や耳がかじかむので手袋やニット帽もあったほうがいいでしょう。
また日差しが強いので帽子やサングラスなどもあると便利です。
入場料
これまでエル・チャルテン周辺のハイキングコースやキャンプ場は無料で利用できましたが、2024/25シーズンから入場料とキャンプ場利用料が導入されました。Loma del Pliegue Tumbadoも入場料が必要です。
登山口には入場ブースがあり、そこで入場料を支払えます。
飲み水
「パタゴニアの水はそのまま飲める」ということで、トレイル上の川の水もそのまま飲んでいる人もいました。
不安な人は多めに飲み水を持参するか、浄水器を用意することをおすすめします。私はいざという時のために浄水器「ソーヤーミニ」を持参していました。コンパクトで場所も取らないので、海外トレイルを歩くときにはおすすめです。
まとめ|Loma del Pliegue Tumbadoは「静かな絶景」を楽しめる穴場ルート
Loma del Pliegue Tumbadoは、エル・チャルテンから直接アクセスできる“隠れた名コース”。往復6〜8時間とやや体力は必要ですが、その分混雑を避け、静かな環境でパタゴニアの絶景を独り占めできます。
フィッツロイやラグーナ・デ・ロス・トレスと組み合わせれば、エル・チャルテン滞在がさらに充実するでしょう。訪れる際は最新の入場料や天候情報を確認し、防寒対策を万全にして挑んでください。
フィッツロイやラグーナ・デ・ロス・トレスのハイキングはこちら。
コメント