ペルーまで来たらマチュピチュは外せません。クスコからマチュピチュへ向かうルートはいくつかありますが、最も冒険感のあるのが「バス+徒歩」のバックパッカー王道ルート。通称「スタンドバイミーロード」と呼ばれる線路沿いを歩いていく道は、ただの移動ではなく、すでにマチュピチュ体験の一部です。
山奥へ入り込み、線路を歩きながら少しずつ遺跡へ近づいていく行程は、「マチュピチュがいかに奥深い場所にあるのか」を肌で感じさせてくれます。この記事では、実際に歩いた体験を交えつつ、行き方・注意点・感想を紹介します。
※情報は2025年3月時点のものです(1ソル=約40円)。
クスコからマチュピチュへの行き方まとめ
クスコからマチュピチュへは、大きく3つの方法があります。
- 電車(Peru Rail / Inca Rail)
最も快適で所要時間も短いが、料金は高め(片道7,000円前後〜)。 - バス+徒歩(スタンドバイミーロード)
最安ルート。バスで水力発電所まで行き、そこから線路沿いを約10km歩く。所要時間は長いが人気の方法。 - インカトレイル
本格的なトレッキングルート。数日かけて歩くが、事前予約必須で料金も高め。
今回は、もっともバックパッカーらしい「バス+徒歩ルート」を選択しました。
バス+徒歩ルートの概要
- 料金:往復90ソル(約3,600円)
- 購入方法:クスコ市内の旅行会社で申込(アルマス広場周辺に複数あり)
- サービス:行きのみ宿まで迎えに来てくれる会社を利用
- 柔軟性:帰りの便は、連絡すれば日にち変更も可能
電車と比べると格段に安いですが、そのぶん体力と時間が必要。とはいえ「安く行きたい」「移動自体を楽しみたい」人にはぴったりです。
クスコのアルマス広場周辺には旅行会社がたくさんあり、値段やサービスは異なるので複数比較検討するのがおすすめ。
実際に移動してみた|クスコから水力発電所まで
バスは朝6時ごろクスコを出発、13時半には水力発電所(Hidroeléctrica)へ着き約7時間半かかりました。

朝6時前、宿の前まで車が迎えに来ました。途中でバスに乗り換え、他の客を拾い市内中心の広場へ。通常はここが集合場所のようで一気に乗客が増えました。
市内を出るとすぐに山道が始まります。途中の休憩所からはPeru Railの列車を眺められ、「あれが観光列車か」とちょっと羨ましく思ったり。
休憩を何度か取りながら、バスはカーブを繰り返しながらどんどん山奥へ。

さらに奥へ進むと、未舗装の崖っぷちを走る道に差しかかります。窓の外には深い谷と流れる川。「よくこんな道を通るな…」と少しひやひやしつつも、マチュピチュがいかに山奥にあるかを実感しました。

昼過ぎに、水力発電所(Hidroelectrica)のバス乗り場に到着。ここからが「スタンドバイミーロード」の始まりです。
スタンドバイミーロードを歩く
スタンドバイミーロード道はほぼ平坦で、線路に沿ってひたすら続きます。「線路を歩く」というのが映画「Stand by Me」をイメージさせ、「スタンドバイミーロード」と呼ばれています。バス乗り場からマチュピチュ村(アグアス・カリエンテス)までは約10km、約2時間の道のりです。

バスで降りたところにレストランがあり、ここで腹ごしらえしてから出発。

最初は道路を歩き、駅まで来ると線路が始まります。駅周辺にはお店や売店が並んでいます。

まっすぐな線路は「Stand by Me」っぽい。

途中橋もあり。

歩き始めは「映画のようでワクワクするな」と思ったのですが、1時間もすると景色の単調さに少し飽きてきました。
時々線路沿いに売店やお店がるので休憩もできます。

時々列車がすぐ横を通り過ぎ、立ち止まり通過するのを待ちます。

川沿いから見上げ、「この山の上のどこにマチュピチュがあるのか」と想像するとワクワクします。

線路沿いから最後は道路へ出て、村の中心に入っていきます。

2時間ほど歩き続け、マチュピチュ村(アグアス・カリエンテス)に到着。

バスと徒歩でマチュピチュを目指した感想
バスが山を縫うようにどんどん奥へ進み、さらに深い森の中を歩いていく――この行程を通じて、「マチュピチュがどれほど奥深い場所にあるのか」を体で実感しました。
地図やガイドブックで「山奥にある」と知識としては分かっていても、この道のりを実際に体験することでしか得られない感覚があります。先へ進めば進むほど「マチュピチュまでの道のりそのものが、すでにマチュピチュ体験だ」と強く感じました。まさに「行ってみないと分からない」場所だと思います。
帰りも同じ道・クスコ到着は夜
往復でバスを予約している場合、帰りも再び「スタンドバイミーロード」を歩くことになります。水力発電所のバス乗り場に指定された時間までに戻る必要があるので、村を出発する際は時間に余裕を持っておきましょう。ただし帰りのバスは午後発なので、慌てる必要はありません。
2度目の「スタンドバイミーロード」には、正直、最初に歩いたときほどの高揚感はありませんでした。ただ、ふと山を見上げると遺跡が姿を現し、「あ、昨日行ったところだ!」という発見があって、それはそれで面白かったです。
もし帰り道に変化をつけたいなら、片道だけ電車を利用するのも選択肢のひとつです。なお、バスがクスコに到着するのは夜の21〜22時ごろになるため、宿には事前に到着時間を連絡しておくと安心です。

まとめ|移動そのものが旅になるルート
「バス+徒歩」でのマチュピチュ行きは、ただ安く行けるだけの選択肢ではありません。
バスで山道を駆け抜け、線路沿いを歩き続ける中で、「マチュピチュが本当に山奥にある」という事実を体で感じられます。マチュピチュにたどり着く前に、この“道のり”そのものが特別な体験でした。振り返ってみると、マチュピチュまでの行程もまたマチュピチュの一部。そう思える旅になりました。
快適さを求めるなら電車、冒険を楽しみたいならバス+徒歩。自分の旅のスタイルに合わせて選んでみるといいでしょう。もし時間と体力に余裕があるなら、ぜひ一度このルートでマチュピチュを目指してみてほしいです。
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