スポンサーリンク

【ブックレビュー】黒部の山賊 アルプスの怪/伊藤正一

記事内に広告が含まれています。


ヤマケイ文庫 定本 黒部の山賊

タイトル:定本 黒部の海賊 アルプスの怪
著者:伊藤正一
出版社:山と渓谷社
発行年:2019年

あらすじ

北アルプスの三俣小屋、水晶小屋、雲ノ平山荘などをつくりあげた伊藤正一が、昭和20〜30年代三俣小屋を譲り受けた当初に出会った「山賊たち」との出会いや山や小屋での出来事を書いた本です。

タイトルや表紙の絵から物騒な内容を勝手にイメージしていたのですが、個性豊かな山賊たちや山での出来事が軽快にユーモラスに描かれています。

雲ノ平山荘と水晶岳

読んだ感想

私自身本の舞台となっている三俣山荘や雲ノ平などには2回訪れており、特に雲ノ平は北アルプスでも私のお気に入りの場所となっています。そんな場所でかつて繰り広げられた出来事は、まるでおとぎ話でも読むようで引き込まれました。

今の登山の常識では考えられない話は同じ世界の出来事とは思えないほどかけ離れたものがありますが、きっと舞台である自然や山の姿は当時からほとんど変わっていないでしょう。

中でも私は登場人物たちの体力の「化け物さ」にも驚かされました。北アルプスでなくとも登山を経験したことある人ならその「きつさ」はご存知だと思います。ましてや舞台であるこの山域は1日で歩いてしまえるような場所ではありません。しかしこの本の登場人物たちはなんでも無いようにこの山域を軽々しく移動しています(ように見える)。それはこの時代の人たちの体力のすごさなのか、はたまた著者の視点と表現でそう見えるのか、いずれにせよ私は彼らの体力の「化け物さ」に少し「おののき」ました。

私は山に景色や自然を求めて行くのですが、この「山賊たち」の物語に想いを馳せるのもまた違った山の楽しみ方ができるような気がします。次はこの本を持って三俣山荘へ行きたいものです。

三俣山荘と鷲羽岳

現在の三俣山荘も非常に精力的で、伊藤新道や湯俣山荘も復活させています。また大町には三俣山荘図書室というブックカフェもあり、新たな登山カルチャーを作り出している存在で目が離せません。

北アルプス黒部源流
三俣山荘図書室


ヤマケイ文庫 定本 黒部の山賊

コメント

タイトルとURLをコピーしました