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バリローチェ|フレイ小屋〜ハコブ小屋トレッキング完全ガイド【1泊2日実体験記】

バリローチェ|フレイ小屋〜ハコブ小屋トレッキング完全ガイド【1泊2日実体験記】
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バリローチェは「南米のスイス」と呼ばれる人気リゾートで、街の周辺には数えきれないほどのトレッキングルートがあります。

今回はその中でも人気の高い「フレイ小屋」を経由し、さらに奥の「ハコブ小屋」まで1泊2日で歩いた実体験をもとに、ルートの様子・注意点・宿泊情報をまとめました。

初めてバリローチェでトレッキングを計画している方や、フレイ小屋まで行きたい方にも参考になるはずです。

本記事では以下について解説しています:
・登山口へのアクセスとバス情報
・小屋泊・キャンプの予約方法や料金
・ルートの難易度や注意点
・実際のトレッキングの様子(写真付き)

※料金などの情報は2025年2月のものです。この記事では2025年2月の公式レートで1ペソ=0.144円で計算しています。アルゼンチンではインフレにより物価が短期間で上昇しているので料金が最新ではない場合があるのでご注意ください。

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バリローチェにはトレッキングコースがいっぱい

パタゴニア北部に位置するバリローチェはパタゴニアの玄関口として知られています。バリローチェ周辺はナウエル・ウアピ国立公園(Nahuel Huapi National Park)となっていて、湖沿いのお手軽なハイキングコースから本格的なトレッキングコースまでさまざまなコースがあります。

バリローチェ周辺のトレッキングコースについてはTrekBariloche.comのホームページで詳しく紹介されています。地図でコースを確認できるので、コースを探すのに非常に便利です。

またナウエル・ウアピ国立公園の公式ホームページでもトレッキングコースが紹介されています。バリローチェの街中には国立公園のオフィスもあり、トレッキングに関する情報を得ることもできます。

今回紹介する「フレイ小屋~ハコブ小屋ルート」は本格トレッキングコースです。

初心者向けの手軽なハイキングやトレッキングのウォーミングアップには「ジャオジャオ・ハイキングコース」がおすすめです。

トレッキングするには事前登録が必要
ナウエル・ウアピ国立公園でトレッキングする際は、事前登録が義務付けられています。登録はオンラインで行うことができます。詳しくはナウエル・ウアピ国立公園のホームページをご確認ください。

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フレイ小屋・ハコブ小屋ルートの概要|難易度・所要時間・ルートデータ

私はビージャ・カテドラル(Villa Catedral)からフレイ小屋を目指し、さらにハコブ小屋まで歩いて1泊し下山しました。フレイ小屋までは湖やカテドラル山(Cerro Catedral)の景色が楽しめ、ハコブ小屋までは山の上からの眺望が楽しめる本格トレッキングコースです。ハコブ小屋のあるハコブ湖は周辺の山域では最も山奥にあり、静けさを求めるにはもってこいの場所です。

フレイ小屋~ハコブ小屋ルートデータ
・所要日数:1泊2日もしくは2泊3日
・ビージャ・カテドラル〜フレイ小屋:4〜5時間/10km /標高差700m/初級者向け
・フレイ小屋~ハコブ小屋:8〜10時間/9km /標高差530m/中級者向け
・ハコブ小屋〜ハコブ小屋登山口(Tambo):5〜6時間/14km /標高差800m/初級者向け
・アクセス:【行き】ビージャ・カテドラルまでバス、バス停から登山口すぐ。
      【帰り】ハコブ小屋下山口から最寄りバス停まで徒歩1時間。

参考になるサイト一覧
ビージャ・カテドラル~フレイ小屋
https://trekbariloche.com/refugio-frey-treks.php
https://barilochetrekking.com/en/sendero-63/

フレイ小屋~ハコブ小屋
https://trekbariloche.com/refugio-frey-treks.php#freyjakob
https://barilochetrekking.com/en/sendero-204/
ハコブ小屋〜ハコブ小屋登山口(Tambo)
https://trekbariloche.com/refugio-jakob-treks.php
https://barilochetrekking.com/en/sendero-153/

登山ルートの確認のためにも、事前にMaps.meをダウンロードしておくことをおすすめします。

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登山口へのアクセス

バリローチェからビージャ・カテドラル

フレイ小屋までのルートの登山口はビージャ・カテドラルにあり、バリローチェからバスでアクセス可能です。

バリローチェからビージャ・カテドラルまでのバス
・バス番号:55
・所要時間:約50分
・本数:2時間ごとに、1日約7本。始発は7:00バスターミナル発。
・料金:5561.68ペソ(約800円)※SUBEカード必須
※時刻表や最新の料金は観光案内所で確認することをおすすめします。

バス55番の時刻表

バスを利用するにはSUBEカードという交通カードが必要です。SUBEカードの購入・チャージは観光案内所や街中の売店で行えます。帰りのことを考えてチャージしておくようにしましょう。

私は始発のバスに、市内のバス停から乗りました。始発は7:00にバスターミナルを出発し、市内には7:15に着くことになっていますがバス停には早めに行っておいた方がいいです。

ハコブ小屋登山口からバリローチェ

ハコブ小屋登山口(Tambo)にはバス停はないので、下山後はタクシーを呼ぶか最寄りのバス停まで歩く必要があります。

最寄りのバス停までは徒歩1時間ほどかかります。しかし住宅街の中にあるバス停なのでバスの本数は少ないです。さらに20分ほど歩くとメインストリート(Av. Exequiel Bustillo)に出るので、ここからバリローチェ行きのバスに乗るのが確実です。バスの乗車にはSUBEカードが必要です。

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予約・水場など注意点まとめ

小屋泊・テント泊は要事前予約

フレイ小屋(Refugio Frey)やハコブ小屋(Refugio Jakob)やキャンプ場を利用するには事前予約が必要です。予約はオンラインから行えます。

フレイ小屋(Refugio Frey)
ハコブ小屋(Refugio Jakob)

ハコブ小屋

夕食や朝食といった食事も予約することができます。日本の山小屋泊と大きく違うのが、小屋泊まりでも寝具は自分で用意する必要があるということ。つまり寝袋を持っていく必要があります。小屋にマットレスはあるので、スリーピングマットは持っていかなくても大丈夫です。

ハコブ小屋ベッド

私はテントを持っていたのでハコブ小屋のキャンプ場を利用したかったのですが、空きがなかったので小屋に泊まることにしました。

ハコブ小屋は素泊まりで35,000ペソ(約5,000円)で、予約の際に7,000ペソだけデポジットとしてクレジットカードから払われ、残りは小屋で現金で払いました。食事は注文せずに自炊することにしました。

水はある?

フレイ小屋で水道は確認できませんでしたが、ハコブ小屋には屋外に水道がありました(そのまま飲めるかは未確認、私は調理に使いました)。

トレイル上にはいくつか小川が流れているので、そこで水の補給は可能です。しかし川の水をそのまま飲むのはおすすめしません。煮沸や浄水などして飲むことをおすすめします。

私はいざという時のために浄水器「ソーヤーミニを持参しました。コンパクトで場所も取らないので、海外トレイルを歩くときにはおすすめです。

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フレイ小屋までのルート(1日目前半)

私はバリローチェから始発のバス(ターミナルを7:00発)に乗り、9時前にはビージャ・カテドラルに着きました。ビージャ・カテドラルはスキーリゾートでもあるので、お店などがたくさんあります(夏季の営業状況は未確認)。

フレイ小屋までの登山口は駐車場の奥にあります。

しばらくは起伏の少ない道が続きます。

ときおりカテドラル山が見えます。

グティエレス湖(Lago Gutiérrez)を見ながら歩く道が続きます。

ここまではほぼ起伏はなかったのですが、渓谷沿いの登り道になります。

しばらくは森の中を歩きます。途中花が咲き乱れ、歩いていて楽しいです。

避難小屋のようなものもあります。

次第に開けてきて山が見渡せてきます。

フレイ小屋に着きました。ビージャ・カテドラルから約3時間かかりました。

小屋はこじんまりとしています。小屋の周辺がキャンプ場になっていています。

フレイ小屋横の湖(Laguna Toncek)から見える景色です。この景色を見に来るだけでも来る価値はあると思います。

小屋周辺には人がたくさんいました。私はここで少し休憩し先を目指しました。

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フレイ小屋からハコブ小屋へ(1日目後半)

登山道は湖の横を通って先に続いています。しばらくすると急登が始まります。

登り切ると平地に出て湖が現れます。

再び急登。

上から見る湖もきれいです。

急な坂が終わり、緩やかな場所に出ます。どうやら尾根上ののようです。

峠の反対側からは景色が見渡せます。

そしてここから一気に500mほど下るのですが、この下りが大変でした。角度が急な上にゆるい砂地なため、かなり歩きにくい。足が砂に取られ、靴の中には砂が入ってきます。まるで急角度の砂丘を下りている感じです。日本でこんな登山道は歩いたことはありません。しかし足が深く砂に取られるため、滑り落ちるということはなさそうです。結構足に負担がかかりました。

急な下りが終わり、盆地の中の森歩きになります。

そして再び登りがはじまり、あたりが開けてきます。

最後急な登りを登ると、再び別の尾根に出ます。

そしてここからハコブ湖が見下ろせました。青々としたハコブ湖と周囲の山々の景色は思わず息を呑むものでした。

ハコブ湖畔にこの日のゴールであるハコブ小屋があります。

尾根からの下りも急で、砂地っぽいところがありましたが、一つ目の尾根からの下りに比べればさほど大変ではありませんでした。

下ってしまえばハコブ湖に到着です。フレイ小屋から約5時間かかりました。

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ハコブ小屋での宿泊

ハコブ小屋の設備や様子

小屋はフレイ小屋よりも大きいです。建物のつくりはしっかりしています。

小屋の入り口で靴を脱ぐ必要がありました。荷物は部屋まで持って行けます。

ベッドは指定されていてます。ベッドは普通の大きさで、マットレスがありました。枕はありません。そしてなんとヒーターがあります。夜、外は冷えましたが、部屋は暖かでした(暑いくらいでした)。

ダイニングは食事を注文している人が利用していました。

ダイニングで自炊調理ができるかわかりませんが、人がいっぱいだったので外で持参した食べ物を調理しました。特に外に炊事場があるわけではありません。屋外に水道があり、調理に使えました。

トイレは小屋にはなく、少し離れたところにありました。またキャンプ場は小屋のそばにあります。

ハコブ小屋に泊まってみて

アルゼンチンで山小屋に泊まるのは初めてでしたが、ハコブ小屋は予想以上に快適でした。日本の山小屋に比べれば建物の造りはしっかりしていて、ベッドは広くヒーターがあったので快適に過ごせました。なんだか普通のバックパッカー宿にでも泊まってる感覚でした。

他の宿泊客はアルゼンチン人かチリ人がほとんどだと思いますが、スタッフに英語ができる人もいてコミュニケーションには困りませんでした。チェックアウトの際に残りの料金を払いました。

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2日目:下山ルートと予定変更

ハコブ小屋からネグラ小屋までのルートは断念

2日目はハコブ小屋からネグラ小屋まで行って下山を考えていました。しかしそのことを小屋のスタッフに告げると、「このルートは経験者向けの上級コースで、歩くには警察に届け出る署名が必要」と言われ驚きました。

ハコブ小屋からネグラ小屋までのルートは登山道のマークがあまりなく、岩稜帯を歩く危険なルートなようです。天候が悪い時は道迷いのリスクが非常に高まります。

私はそこまで危険なルートだとは知りませんでした。私のこれまでの経験値を踏まえると行ける可能性はあるものの、「下調べが不十分」という時点で「行くべきでない」と判断。ハコブ小屋から谷沿いを歩いて下りるルートに変更しました。

ハコブ小屋からネグラ小屋まで歩くことを検討される場合は、十分な情報収集をおすすめします。

ハコブ小屋から下山

ハコブ小屋から登山口のTamboまでは下るだけで特に危険な箇所はありません。しかし18kmと長い道のりです。

ハコブ湖に別れを告げて出発しました。

谷を歩く長い下りですが、時々振り返ると山が見渡せます。

途中馬で荷上げしている人とすれ違いました。パタゴニアらしい風景ですね。

ハコブ小屋を出て3時間半でTamboの登山口に着きました。しかしここからバス停まで歩く必要があります。

登山口からさらに1時間歩いてメインストリートのバス停に来ました。ここからバリローチェへと戻ります。

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フレイ小屋~ハコブ小屋ルートはどんな人におすすめか?

フレイ小屋まで:初心者でも挑戦可・景色◎・日帰りOK

フレイ小屋までは登山やハイキングは初心者という人にもおすすめです。バリローチェから日帰りでも行けるので、デイハイクとしても歩けます。フレイ小屋からの景色は素晴らしいので、フレイ小屋やキャンプ場で1泊するのもおすすめです。

ハコブ小屋まで:中級者以上・1泊以上必須・本格的な山歩き

フレイ小屋~ハコブ小屋はある程度登山経験がある中級者以上におすすめです。バリローチェで本格的なトレッキングがしたい方にはもってこいです。ハコブ小屋のあるハコブ湖は周辺の山域では最も山奥にあり、静けさを求める人にもおすすめです。

初心者向けの手軽なハイキングやトレッキングのウォーミングアップには「ジャオジャオ・ハイキングコース」がおすすめです。

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まとめ:フレイ小屋〜ハコブ小屋ルートは景色と山歩き両方楽しめる

バリローチェ周辺には数多くの美しいトレッキングコースがありますが、その中でも「フレイ小屋〜ハコブ小屋ルート」は景色の素晴らしさと本格的な山歩きの両方を楽しめる貴重な体験でした。

フレイ小屋までであれば初心者でも挑戦でき、日帰りでも十分満足できます。さらに先を目指す場合は体力と経験が必要ですが、その分、パタゴニアらしい壮大な自然が待っています。

ぜひ自分のレベルに合わせて、バリローチェの山旅を楽しんでみてください。

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