カミーノをやってみたいという方、1日目ってどんな感じだろうか気になりますよね?実は「フランス人の道」は1日目が一番大変です。
この記事ではフランス人の道のカミーノの1日目がどんな様子なのか紹介したいと思います。
サン・ジャン・ピエ・ド・ポーでカミーノ前日にやることについて書いてますのでよかったら読んでみてください。
カミーノの概要や私の体験談は次の記事を読んでいただけますのでよかったら読んでみてください。
カミーノ1日目:サン・ジャン・ピエ・ド・ポーからロンセスバジェスへ
1日目の概要
「フランス人の道は1日目が一番大変」と言われています。それはピレネー山脈を越えなくてはいけないからです。1日目の最高地点の標高は約1400mで出発点であるサン・ジャン・ピエ・ド・ポーの標高は約200mです。つまり1日で1200mも登らなくてはいけないのです。
【フランス人の道1日目データ】
距離:25km
最高地点:レポエデル峠(標高1400m)
出発点:サン・ジャン・ピエ・ド・ポー(標高200m)
到着点:ロンセスバジェス(標高960m)
上の地図ではピレネー山脈越えは25.6kmのルートになります。このルートはナポレオンルートと呼ばれています。ナポレオンルートとは別にそこまで高低差がない(それでも800m登る)迂回ルートもあります。
悪天候時やピレネー山脈越えに自身のない方はこちらの迂回ルートを通るといいかもしれません。またナポレオンルートは11月から3月までの冬季は閉鎖となり通れません。その場合は迂回ルートを行くことになります。
ナポレオンルートの方が景色がいい
であれば「迂回ルートのほうを行けばいいのでは?」と思うかもしれませんが、私はナポレオンルートを歩くことをおすすめします。なぜならば景色が素晴らしいからです(しかし私は迂回ルートを歩いてないので比較はできません)。もちろん天候にもよります。私はラッキーなことに天候に恵まれ景色を楽しむことができました。

また1日で1200mも登らなくてはいけないなんて「登山」のイメージを持ってしまうかもしれません。しかし日本の登山とは違い、そこまで急な道はありません(一部急です)。ほとんどが車道も兼ねているのでゆるやかです。とはいえサン・ジャン・ピエ・ド・ポーから最高地点のレポエデル峠まではほぼずっと登りなので覚悟は必要です。
カミーノ1日目の注意点
- 1日で25km、標高差1200mを歩くので朝早く出発しましょう
- 途中カフェやレストランはほとんどありません。前日に途中で食べるものは準備しておくようにしましょう
- 水は途中に何ヶ所か水場があるのでそこで補給できますが、不安な人は十分な水を準備しておきましょう
- 悪天候だと非常に危険なルートです。無理せず1日待つか迂回ルートを通るようにしましょう
- 冬季(11〜3月)はナポレオンルートは通れませんので迂回ルートを通りましょう
実際の様子
ここからは実際に私が歩いた様子(2024年10月)を注意点も交え紹介したいと思います。
サン・ジャン・ピエ・ド・ポーを出発
アルバルゲを出たのは8時前でした。あたりはまだ暗かったです。私が泊まったアルバルゲはサン・ジャン・ピエ・ド・ポーのメインストリートの端っこにあり、カミーノはそのメインストリートを歩いて反対側へ抜けていく感じになります。昼間は賑やかな通りもこの時間はしんと静まり返っていました。
メインストリートを抜けるとすぐに住宅街の中を歩いていきます。すぐに迂回ルートとの分岐(下の地図)があります。ナポレオンルートはまっすぐ(地図だと上から歩いてくるので下へ行く。左の道が迂回ルート)です。そしてここから登り坂が始まります。
郊外の景色が開けたところを歩いていく
住宅街も抜けると郊外の広大な牧草地の間を歩いていきます。時々牛や羊が草を食んでいるのに出くわします。遠くまで見渡せいかにもヨーロッパの田舎らしい風景が広がっています。まだこのあたりだと家がぽつりぽつりとあります。
私が歩いていたときはこのあたりで日が登り始めて、霧に包まれて幻想的でした。

オリッソンを通過
オリッソン(Orisson)という地区は標高が約800mなのでサン・ジャン・ピエ・ド・ポーから最高地点のちょうど中間にあたります。道路沿いにアルバルゲ(Refuge Orisson)があり食事もできるみたいですが、私が通った時は開いていませんでした。このアルバルゲの側に水場があります。

ここから先はほとんど建物はありません。
木の生えていない広大な景色の中を歩く
オリッソンを過ぎたあたりから木の生えていない剥き出しの場所を歩いていきます。晴れていればとても気持ちがいいです。個人的には1日目の絶景ポイントはこのあたりなのですが、天気が良くないと楽しめないかもしれません。
ただ木がないということは日陰がないということでもあるので、晴れた日は日差しが強いので注意が必要です。また悪天候時は吹きさらしになることが想像できます。この辺りはすでに標高1000m以上なので気温の変化にも気をつけた方がいいでしょう。私が歩いた時も風が強く、立ち止まって休憩すると寒かったです。

このあたりはシーズン中であればフードトラックがあるようです。羊の群れに出くわすこともあります。
十字架(Cross of Thibault)が見えてきたら、カミーノは道路を外れて右の丘へ向かいます。

フランスからスペインへ
十字架から少し丘を登って右手に森を見ながら歩いていきます。
実はこのあたりがフランスとスペインの国境です。私は全く気づきませんでした。というか看板すらありません(見逃しただけかも)。フランスとスペインは国境を自由に行き来できるとは言え、私が持っている国境の概念からしたら驚きです。
このあたりから森の中を歩くようになり、道も緩やかになります。

最高地点レポエデル峠へ
避難小屋を過ぎて少し歩くとフランス人の道最高地点レポエデル(Lepoeder)峠へきます。ここにはモニュメントがあります。

ここまできたら今日のゴールであるロンセスバジェスまではもうすぐです。
急なくだりを下りていく
ここからロンセスバジェスへは道は二手に別れます。峠からまっすぐ下りていくと急なくだりになります。実はこの急な道は前日巡礼オフィスで「急で危ないから通らないように」とわざわざ地図で説明してもらっていた道でした。私は前を歩く巡礼者について行ってしまったため分岐の存在を見逃していました。
しかし確かに急とは言え歩けない道ではありません。ただ滑りやすいので注意が必要です。下りの方が足への負担が大きいので、不安な方は安全な道(下の写真で右方向)を通ることをおすすめします。アプリや地図でしっかり確認しましょう。

ロンセスバジェスへ到着
森を抜けると大きな建物が見えました。ロンセスバジェス(Roncesvalles)へ到着しました。この大きな建物の一部がアルバルゲです。

私がロンセスバジェスへ着いたのが15時前です。つまりサン・ジャン・ピエ・ド・ポーから7時間かかったということになります。
ロンセスバジェスはこんな感じ
ロンセスバジェスのアルバルゲ

Roncesvalles Pilgrims Hostel
値段:15ユーロ(現金のみ)
ベッド数:135
設備:トイレ、シャワー、キッチン、洗濯機乾燥機(有料)・脱水機、電源はコンパートメント内にベッドの数(4)あり(上段ベッドは少し遠い)、ベッドサイドの電灯無し
Wifi:あり(弱い)
受付時間:13:00〜22:00
食事:夕食14ユーロ、朝食6ユーロ
営業期間:通年(冬季は別館)
※2024年10月の情報
大きなアルバルゲでベッド数は多く、施設は新しく清潔感がありました。夕食朝食の申し込みと支払いは受付で行いますが、食べる場所はアルバルゲから5分ほど歩いたバル内です。
ロンセスバジェスには他に3軒のアルバルゲ/ホテルがあるようです。「Buen Camino(ブエン・カミーノ)」というアプリを使えば、アルバルゲやカミーノの情報が見れるのでおすすめです。
ロンセスバジェスの様子
ロンセスバジェスは小さな村でアルバルゲやホテルが数軒、バルが2、3軒あるのみです。教会が数軒あります。

ATMは無いようなので、現金は事前に準備しておいたほうがいいです。私が歩いた限りではスーパーや売店などは見当たりませんでした。なので自炊したいという人や朝食は自分で用意したいという人はサン・ジャン・ピエ・ド・ポーで買っておくことをおすすめします。
もしくはロンセスバジェスから30分歩いたところにスーパーがあるのでここまで行くこともできますし、翌日歩いていく方向なので翌日に買うこともできます(営業時間に注意)。
まとめ
この記事ではフランス人の道のカミーノの1日目がどんな様子なのか紹介しました。
カミーノ1日目でピレネー山脈越えという一番大変なルートを歩けなければいけません。でも途中の景色は素晴らしく、私は「こんな景色が見たくてカミーノに来たんだ!」と初日から思えたのはラッキーでした。これから歩く皆さんもそんな景色が見れることを祈っています。ただ気をつけることも多いのでしっかり準備して欲しいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
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