私は2024年10月からスペイン巡礼をしました。ここでは「カミーノに必要な持ち物やあってよかった、いらなかったもの」など紹介します。カミーノの概要や私の体験談は次の記事を読んでいただけますのでよかったら読んでみてください。
この記事の情報は2024年10月から11月の実体験に基づいてます。最新の情報はご自身でご確認ください。
カミーノの荷物は何キロくらい?
私はカミーノ後も旅を続ける予定であったため、カミーノに必要で無いものも持っていきました。なので私の荷物は日本出国時約12kgでした。山を縦走する時はこれ以上の重さを背負うので大丈夫だろうと思いましたが、やはり軽いにこしたことはありません。カミーノだけであれば10kg以下、最小限に抑えたら7kg程にすることはできるのではないかと思います。

持ち物リスト
私は日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会の持ち物リストを参考にしました。
荷物選びのポイント
ここからこのリストで私なりのポイントをお伝えします。
ガイドブックはいる?
私はガイドブックとして電子版の「ロンリー・プラネットスペイン版」をダウンロードしてましたがほぼ読むことはありませんでした。情報は主にインターネットかアプリで得てました。正直その街で何が有名なのか全く知らず歩いていたのですが、他の巡礼者と話して情報を知ることができ全く問題ありませんでした。ガイドブックは紙ではなく電子版で持っていくと荷物が減ります。
クレデンシャルは現地購入可
サン・ジャン・ピエ・ド・ポーの巡礼事務所で2€(現金のみ)で購入できました。

バックパックと靴選びは重要
歩いてみて痛感したのは「バックパックと靴選びは重要」ということです。バックパックは「体に合ったもの」を選びましょう。私は長年使ってきたバックパックをカミーノに使ったのですが若干体に合っていないようでした。数日の山歩きでは騙し騙し使えたのですが、1ヶ月も使うとなると体に負荷がかかってしまいます。新しくバックパックを買うという場合は、登山用品店でお店の人にアドバイスをもらいながら選んだ方がいいと思います。
また靴は必ずしも「トレッキングタイプ」のものである必要はなくていいと思います。私は軽さと乾きやすさを重視し「防水機能のないトレランシューズ」で歩きました。足が軽いので歩きやすかったですし、濡れても乾きやすいのはよかったです。ただアスファルトを長く歩く場面では足の裏が痛くなりました。もちろんミッドカット・ハイカットのハイキングシューズで歩いてる人もいました。靴選びも人それぞれですが、「足に合ったもの」「履き慣れたもの」を選ぶようにしましょう。

雨具:レインジャケットかポンチョか
私は登山でのスタイル「レインジャケット上下+ザックカバー」で雨の日は歩いていました。しかしこれには一つ難点があったんですね。「背中とバックパックの間から雨が入り込み、バックパック内が浸水」することが何度かありました。一応浸水対策として濡れてほしくないものはスタッフバッグに入れていたのですが、濡れたものは取り出して乾かす必要がありました。
その点ポンチョはバックパックの上から被っているのでこのようなことにはなっていないようでした。もちろんポンチョだって完璧ではありません。足元は開いているのでズボンは濡れます。ポンチョ+レインパンツというスタイルもおすすめです。

シーズンオフは防寒着必須
私が歩いたのは10月末〜11月です。フリースもダウンも持って行きましたが、どちらも着ることになる日が何日かありました。歩きながら手袋が必要になるくらい冷え込む日もありました。シーズンオフに歩こうと思っている方は防寒着は必須です。
杖(トレッキングポール)は必要?
私は登山においてもトレッキングポールを使わないので持って行きませんでしたが、結構使ってる人は多かったです。使ってる巡礼者には「あったほうが楽だよ」と言われたのですが、足への負荷を軽減するにはあってもいいかもしれません。現地でも竹の杖を手に入れることができます。
ヘッドライト
まだ暗いうちから荷物をまとめたり、歩き始めることもあります。その時にヘッドライトはあった方がいいです。またただ眩しく照らすだけでなく、赤色ライトなど眩しすぎない機能があるヘッドライトをおすすめします。暗い部屋で寝ている人がいる場合、眩しいライトは結構気を使います。赤色ライトのヘッドライトを使っている人は結構いました。
耳栓は必須
私は普段の生活から快眠のために耳栓は欠かせないのですが、共同生活となると「必須」でした。毎日誰かしらいびきをかく人がいます。繊細な人は耳栓は予備も含めて持っていくことをおすすめします。おすすめはモルデックスの耳栓です。またアイマスクもあるといいです。
靴下も重要
靴も重要ですが、靴下もまた重要です。できればハイキング用の厚手の靴下を選ぶようにしましょう。厚手の靴下は乾きにくいですが、私を含め他の巡礼者も歩きながらバックパックにぶら下げて乾かしていました。
なお、リストの中で持っていかなかったのは「ガイドブック」「杖」「日焼け止め/化粧品」「マメ防止クリーム」「ホタテ貝」「枕カバー」「スパッツ」「ビニールシート」「トリプルタップ」「携帯カイロ」「反射シール」です。コンパクトな「膝サポーター」は持って行きましたが使うことはありませんでした。
あってよかったもの
サコッシュ(使用頻度★★★)
サコッシュに財布やパスポート、クレデンシャル、iPhoneなどを入れて歩いていましたが便利でした。バックパックに入れているといちいち下ろさなくてはいけません。途中のバルでクレデンシャルにスタンプをもらう時などさっと出すことができました。

日記帳(使用頻度★★★)
私は普段の日常生活では日記をつける習慣はありませんが、旅ではつけるようにしています。この日どこにいて何をやったかは写真だけではわかりません。以前は旅でもその習慣はなかったのですが、最近は日記は書くようにしています。
カメラ(使用頻度★★★)
私はミラーレス一眼を持って行きました。他の巡礼者によく「そんな大きなカメラを持ってるのか!!」と驚かれました。カメラを持っている人はほぼいませんでした。ただカミーノの美しい風景や仲良くなった巡礼者の歩く姿などを捉えることができ持ってきてよかったです。普段から旅でカメラを使う方は持って行っていいかもしれません。その分「充電器」「予備のバッテリー」「データの管理」「カメラの手入れ用品」「雨の日どうする?」など荷物や考えることが増えます。

折りたたみ傘(使用頻度★★)
私は軽量の折りたたみ傘を持って行きました。歩きながら使うことは想定しておらず、街歩きで使うかもなと思っていました。しかし1日中雨の中を歩く日は傘があってよかったです。レインジャケットを着て1日中雨の中を歩くと流石にジャケットも浸水してきて冷たさが体に伝わってきます。その点傘があると直接雨に雨にあたる事ないので寒さを軽減することができました。またいきなり雨が降ってきた時さっと雨を凌げるのが便利でした。傘を使っている人はほぼいませんでした。ただ悪天候で名高いガリシア地方(フランス人の道だと最後の一週間くらい)では風が強く軽量の折り畳み傘では役に立ちませんでした。

S字フック・カラビナ(使用頻度★★)
S字フックは何かと重宝しました。ベッドサイドに荷物や服をかけるのに便利です。私は百均のS字フックを3つ持って行きました。小さなカラビナでもいいかもしれません。

軽量のサブバッグorエコバッグ(使用頻度★★)
歩いているときに使うことはありませんでしたが、軽量のサブバックやエコバッグがあると街歩きや買い物に便利です。スペインのスーパーではプラスチックバッグは有料なので買い物バッグとして使えます。またシャワーを浴びる際の荷物入れとしても便利です。

複数口充電ケーブル(使用頻度★)
コンセント2口+USB2口の2m充電ケーブルを持って行きました。ベッドから電源が遠い場合、ベッドサイドまで電源を持ってくるのに便利でした。正直もっと軽量でコンパクトだったらよかったです。少なくとも複数口の充電器(ケーブル)はあった方が便利です(充電が必要なデバイスの数にもよる)。

コップ(使用頻度★)
コップすら無い巡礼宿(アルバルゲ)が結構あります。私は登山で使うチタン製の軽量カップを持って行きました。これは電子レンジで使えないので注意です。インスタントコーヒーを飲むのに使いました。

湯沸かし電熱コイル(使用頻度★)
カミーノでは使うことは無いだろうと思っていたのですが、結構キッチン設備が無い巡礼宿(アルバルゲ)が多くコーヒーが飲みたい時に使うことがありました。電源に挿したらそのまま熱されるので取り扱い注意です。プラスチックのコップは熱で溶けるので注意です。

モバイルバッテリー(使用頻度ゼロ)
小型のモバイルバッテリーを持って行きましたが、カミーノで使うことはありませんでした。毎日宿で充電することができそれでまかなえたからです。でもやはり「保険」として持っていてよかったです。なぜなら地図から宿の情報まで全てiPhoneに頼っていたからです。電池が無く道に迷ったら遠方に暮れてしまいます。とはいえカミーノを歩いていれば誰かしらいるので「どうにかなる」とは思いますが。
使わなかったもの
箸
なぜか箸を持って行きました。何を想定していたかよくわかりません。インスタントラーメンを作ってもめんどくさいのでキッチンにあるフォークで食べていました。
コーヒーフィルター
私はコーヒーが好きなので、繰り返し使えるコーヒーフィルターを持って行きましたが使うことはありませんでした。ずっとインスタントコーヒーで妥協し続けました。そもそも美味しいコーヒーは1€ちょっとでお店で飲めます。日本からコンパクトなミルを持っていくことを考えましたが持ってこなくてよかったです。
カミーノの本(Kindle)
日本で適当にカミーノに関する電子書籍をダウンロードしていきましたが、ついぞ読むことはありませんでした。そもそも本を読もうという気にもなりませんでした。人と話したり、ご飯食べたり、SNSに写真あげたり、日記書いたり、色々調べたりしたらあっという間に時間が過ぎます。でも本を読むような時間は作ることはできます。
余計な「予備」と「使うかも」
私は心配性の性格なので、予備も「多め」に持って行ってしまいました。もちろん大半は使うことなかったです。予備の電池を2個も持っていきましたが、どちらも使うことありませんでした。タオルの予備もその予備の手拭いも使うことなく、1枚で事足りました。あくまで「予備」なのであるに越したことはないとは思いますが、荷物は重くなります。
荷物を軽くするポイントは「使うかも」と思えるものを極力減らせるかどうかだと思います。あれもこれもと細々したものを持っていくと結構重くなって行きます。大抵のものは現地で購入できます。「持っていかない勇気」も必要です(自分への戒めです…)。
荷物選びからカミーノは始まる
この記事では私の実体験をもとに「カミーノに必要な持ち物やあってよかった、いらなかったもの」を紹介しました。ただし私が「あってよかったもの」と紹介したものも正直「無くてもどうにかなるもの」のです。なので参考程度にしていただければうれしいです。
私は荷物を選ぶのもカミーノの一部だと思っています。もし荷物選びに正解があるならば皆同じものを持つことになります。でもそうなりません。それぞれが「必要だ」と思った物を持っていて、重さもバラバラです。その荷物の重さはあなたが「必要だ」と思った物の重さです。荷物の重さには慣れてきます。ただやはり軽いにこしたことはありません。
ここまで読んでいただきありがとうございました!!